早期離職を防ぐ採用面接|介護・福祉で「なぜこの仕事か」を確かめる質問

法人の採用ノウハウ

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結論:介護・福祉の早期離職を減らすには、採用面接で「なぜ福祉なのか」「なぜこの仕事なのか」を本人の言葉で語れるかを確かめ、「転職先に求めること」を自法人で実現できるかを、面接の場ですり合わせることが効果的です。

この記事では、社会福祉法人の人事責任者として面接を重ねてきた経験から、早期に辞めてしまう人に共通する点と、採用面接で確認する質問、そして面接で聞いてはいけないことの注意点を整理します。

この記事を書いた人

社会福祉法人の人事責任者として、約700名規模の法人で採用・労務・組織開発・業務効率化を担当しています。これまで数多くの面接を担当してきました。

早期に辞める人に共通していたこと

採用担当者の現場から(筆者の実体験)

早期に辞めた人に共通していたのは、福祉を志す思いや軸がないことです。壁にぶつかったときにすぐ辞める傾向が高いと感じています。どんな思いでも構いません。「なぜ福祉業界なのか」「なぜこの仕事なのか」を、自分の言葉でしっかり言語化できない人は、すぐに辞めてしまう傾向があります。

介護・福祉の仕事は、やりがいがある一方で、体力面や人間関係、利用者さんへの向き合い方など、壁にぶつかる場面が必ずあります。そのとき、自分なりの「この仕事を選んだ理由」があれば、踏みとどまる支えになります。理由が立派である必要はありません。身近な人の介護の経験、人と関わる仕事がしたい気持ち、安定して働きたい思いなど、どんな理由でも、自分の言葉で語れることが大切です。

面接で確認したい質問と、その意図

質問例 確認したいこと
「なぜ福祉(介護)の仕事を選ばれたのですか」 仕事を選んだ理由を、自分の言葉で話せるか
「なぜこの仕事(職種)なのですか」 職種への理解と、志望の具体性
「転職先に求めることを教えてください」 仕事や職場に期待していること(働き方、学べる環境など)
「当法人で、それは実現できそうですか」 自法人で期待が満たせるか、すり合わせができるか
「大変だったとき、どう乗り越えましたか」 壁に向き合うときの姿勢

必ず聞く質問:転職先に求めることと、自法人で実現できるか

採用担当者の現場から(筆者の実体験)

面接で必ず確認しているのは、転職先に求める価値観です。そのうえで、弊社に入社することでそれが実現できるのかを、必ず聞くようにしています。

応募者が転職先に求めることを聞き、それが自法人で実現できるかを一緒に確認することで、入職後のミスマッチを減らせます。実現できそうな点は具体的に伝え、難しい点は正直に伝えることが大切です。

聞くときの注意|「仕事や職場に求めること」に限る

ここでいう「価値観」は、あくまで仕事や職場に求めること(働き方、学べる環境、人間関係、キャリアなど)を指します。厚生労働省は、応募者の適性・能力に関係のない事項を、面接などで把握することを避けるよう示しています。具体的には、次のような事項です。

  • 本人に責任のない事項:本籍・出生地、家族に関すること(職業、収入、健康など)
  • 本来自由であるべき事項:宗教、支持政党、人生観・生活信条、思想に関すること、労働組合に関することなど

「人生観」や信条を問うのではなく、「仕事を選ぶときに大切にしていること」を聞く、という形にとどめましょう。詳しくは、厚生労働省の採用選考時に配慮すべき事項で確認してください。

面接での質問の組み立て方(例)

  1. 導入:応募への御礼と、面接の流れを伝える
  2. 経験の確認:これまでの仕事や、担当してきた内容を聞く
  3. 志望の確認:「なぜ福祉・この仕事か」「転職先に求めること」を聞く
  4. すり合わせ:求めることを自法人で実現できるか、できない点も含めて説明する
  5. 逆質問:応募者の疑問や不安を聞く
  6. 今後の流れ:結果の連絡時期、次のステップを伝える

応募者が話しやすい雰囲気をつくることも、本音を引き出すうえで重要です。応募者側の視点は、面接に落ちる人の共通点や面接官が「一緒に働きたい」と思う瞬間にまとめています。

面接だけに頼らない補助的な方法

面接では見えにくい性格傾向やストレスへの向き合い方を、適性検査で補う方法もあります。ただし、結果で機械的に合否を決めず、面接の参考情報として使うのが基本です。選び方は適性検査おすすめ5選で整理しています。適性検査の一例として、費用を抑えて試しやすい検査を紹介します。

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面接だけの採用に潜むリスクは、面接だけの採用が危険な理由でも解説しています。

よくある質問

Q1. 志望理由が弱い応募者は、採用すべきではないですか?

理由が立派かどうかではなく、本人の言葉で語れるかを見ています。うまく言葉にできなくても、面接で一緒に整理する中で、考えが深まる応募者もいます。判断は、面接全体の印象と合わせて行いましょう。

Q2. 価値観が自法人と合わない応募者には、どう対応しますか?

合わない点を正直に伝え、それでも応募者が納得できるかを確認します。お互いにとって、早い段階でミスマッチに気づくことが望ましいと考えます。

Q3. 家族の状況は、働き方の調整のために聞いてもよいですか?

家族に関する事項は、適性・能力に関係なく、採否の判断に使ってはいけません。働き方の希望(勤務日数、時間帯など)を、応募者から自発的に伝えてもらう形で確認するのが基本です。具体的な聞き方は、厚生労働省の資料で確認してください。

まとめ

  • 早期に辞める人は、福祉を志す思いや軸が言語化できない傾向がある。理由は何でもよいが、自分の言葉で語れることが大切
  • 面接では、「なぜ福祉か」「なぜこの仕事か」と、「転職先に求めること」を確認する
  • 「求めることは自法人で実現できるか」を面接の場ですり合わせる
  • 聞くのは仕事や職場に求めることに限り、人生観・信条・家族などは聞かない

面接は、応募者を選ぶ場であると同時に、法人を知ってもらい、お互いが納得する場です。ミスマッチを小さくする面接を意識してみてください。

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