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結論:介護職の上司・同僚とのコミュニケーションは、「話し上手になること」より「報告・相談のタイミングと伝え方の型」を持つことで楽になります。
特に効くのは、①結論から短く報告する、②相談は「事実+自分の考え」をセットで持っていく、③申し送りは記録と口頭を分ける、の3つです。
それでも関係がうまくいかないときは、自分の努力だけで抱え込まず、職場の仕組み(面談・相談窓口)や働く場所を見直すことも選択肢に入れてください。
この記事を書いた人
社会福祉法人の人事責任者として、約700名規模の法人で採用・労務・組織開発・業務効率化を担当しています。これまで数多くの面接を担当してきました。
介護の職場でコミュニケーションが大切になる理由
介護はチームで利用者さんを支える仕事です。シフト制で日によって一緒に働くメンバーが変わり、夜勤明け・日勤・遅番の間で情報を引き継ぐ場面も多くあります。そのため、「一人ひとりと仲良くなること」以上に、必要な情報を、必要な人に、必要なタイミングで渡せることが求められます。
介護労働安定センターが毎年行っている「介護労働実態調査」でも、前の職場を辞めた理由として「職場の人間関係」は上位に挙がっています(最新の数値は同センターの公式サイトでご確認ください)。逆に言えば、日々のやり取りを少し工夫するだけで、働きやすさが大きく変わる職場も多いということです。
採用担当者は「人間関係のつくり方」をこう見ている
ここからは採用する側の視点です。私は経験者の面接で、経験年数だけでなく「職場の人間関係を築くうえで、これまで心がけてきたこと」を必ず聞くようにしています。介護の仕事は一人では完結しないため、ここをどう考えているかは、入職後に長く働けるかどうかに直結すると考えているからです。
面接で印象に残るのは、「誰とでも仲良くできます」という答えよりも、「わからないことはその日のうちに先輩に確認するようにしていた」「申し送りでは必ず自分から一言添えていた」といった、具体的な行動で話してくれる人です。この記事で紹介するコツは、そのまま面接での答え方のヒントにもなります。
面接全体で見ているポイントは「面接官が「一緒に働きたい」と思う瞬間」でも詳しく解説しています。
上司とのコミュニケーションの取り方
1. 報告は「結論→理由→今の状況」の順で短く
主任やリーダーは、現場を回しながら複数の報告を受けています。長く話すほど要点が伝わりにくくなるため、まず結論を伝えるのが基本です。
- 例:「〇〇さんが昼食をほとんど召し上がりませんでした(結論)。午前から少し熱っぽい様子があります(理由)。今は居室で休んでいて、看護師さんにも伝えてあります(状況)。」
2. 相談は「事実」と「自分の考え」をセットにする
「どうしたらいいですか?」だけで相談すると、上司は一から状況を聞き直す必要があります。「こういうことがあって、自分はこうしようと思うのですが、それで大丈夫ですか?」と考えを添えると、相談がスムーズになり、上司からも「考えて動ける人」と見てもらいやすくなります。
3. 相談のタイミングを選ぶ
急ぎでない相談は、食事介助や入浴介助の最中など忙しい時間帯を避け、「〇分ほどお時間いただけますか」と一言断ってから話すと受け止めてもらいやすくなります。一方、利用者さんの体調変化や事故・ヒヤリハットは、タイミングを待たずにすぐ報告するのが原則です。
4. 面談や1on1の機会を使う
法人によっては、入職後の面談や上司との1on1が設けられています。私の法人でも、入職後1か月は中途導入研修や施設長面談、1on1をこまめに行うようにしています。日々の業務中には言いにくいことも、こうした場なら伝えやすいので、遠慮せずに活用してください。入職直後の過ごし方は「入職後1か月のフォロー」の記事も参考になります。
同僚・先輩とのコミュニケーションの取り方
1. 申し送りは「記録」と「口頭」を分ける
記録に残すべき事実(バイタル、食事量、排泄、出来事)は記録に書き、記録だけでは伝わりにくい「気になったこと」「次の勤務で注意してほしいこと」は口頭で一言添える。こうして役割を分けると、伝え漏れも、長すぎる申し送りも減らせます。
2. わからないことは早めに、聞き方を工夫して聞く
「何がわからないかわからない」状態で聞くより、「この手順は〇〇で合っていますか?」と確認する形で聞くほうが、先輩も答えやすくなります。聞いたことはメモに残し、同じことを何度も聞かないようにすると信頼につながります。
3. 「ありがとうございます」と「お疲れさまです」を省かない
忙しい現場ほど、手伝ってもらったときのお礼や、交代時のあいさつが抜けがちです。小さなことですが、こうした一言がチームの空気をやわらかくします。
4. やり方が違うときは「否定」ではなく「確認」で伝える
前の職場とやり方が違うと感じても、いきなり「前の職場ではこうでした」と伝えると、反発を招くことがあります。まずは「こちらではこの方法なんですね。理由を教えていただけますか?」と確認し、職場のやり方を理解してから、必要に応じて提案するほうがうまくいきやすいです。
注意点:コミュニケーションの工夫だけでは解決しないこともある
ここまでのコツは、日々のやり取りを楽にするためのものです。ただし、次のような場合は、あなたの伝え方の問題ではありません。
- 人格を否定する言動、無視、威圧的な態度が続いている
- 人手不足が慢性化し、誰もが余裕をなくしている
- 相談しても取り合ってもらえない、相談すると不利益がありそうで言い出せない
こうした状況では、法人内の別の管理職や相談窓口、都道府県労働局の総合労働相談コーナーなど外部の窓口に相談することも検討してください。具体的な対処法は「介護職の人間関係がつらいときの対処法」で解説しています。また、心身の疲れが続いている場合は「バーンアウトのサインと予防法」も確認してみてください。
また、コミュニケーションの「正解」は職場の文化によって違います。この記事の方法がそのまま当てはまらない職場もあるため、職場のやり方を見ながら調整してください。
職場を変えることも、選択肢の一つ
自分なりに工夫しても関係が改善しない場合、それは職場との相性や、職場の体制の問題かもしれません。転職を考えるときは、次の職場で同じことを繰り返さないよう、見学や面接で「職員同士がどう声をかけ合っているか」「新人のフォロー体制はあるか」を確認するのがおすすめです。見学で見るべきポイントは「介護の職場見学・座談会で採用側が見ているポイント」で紹介しています。
働く時間や日数から見直したい方は、介護専門の求人サイトで条件を絞って探してみるのも一つの方法です。登録は無料なので、まずは求人を眺めて「ほかにどんな職場があるか」を知るだけでも、気持ちに余裕が生まれます。
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職場の人間関係や雰囲気など、求人票だけではわかりにくい情報を相談しながら探したい方は、介護の転職支援サービスを利用する方法もあります。
まとめ
- 上司への報告は「結論→理由→今の状況」の順で短く伝える
- 相談は「事実+自分の考え」をセットにし、急ぎでない相談はタイミングを選ぶ
- 申し送りは記録と口頭を分け、わからないことは確認の形で早めに聞く
- 採用担当者も、面接で「人間関係を築くうえで心がけてきたこと」を見ている
- 工夫しても改善しない場合は、相談窓口や職場を変えることも選択肢に入れる
コミュニケーションは、性格よりも「型」で楽になる部分が大きいものです。できそうなところから一つずつ試してみてください。


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