介護職を「辞めたい」と思ったときに考えるべきこと|人事が教える後悔しない判断の手順

職場の悩み

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結論:介護職を「辞めたい」と思ったら、すぐに辞めるか我慢するかの二択で考えず、まず「何が一番つらいのか」を切り分けることが大切です。

つらさの原因が「職場」にあるのか、「仕事内容」にあるのか、「自分の心身の状態」にあるのかで、取るべき行動はまったく変わります。

この記事では、退職の相談を受ける側・採用する側の両方を経験してきた人事の立場から、辞める前に考えておきたいことと、後悔しない判断の手順をお伝えします。

この記事を書いた人
社会福祉法人の人事責任者として、約700名規模の法人で採用・労務・組織開発・業務効率化を担当しています。これまで数多くの面接を担当してきました。

まず最初に:心と体が限界なら「考える」より「休む」が先

この記事は「辞めたい気持ちを整理する」ためのものですが、その前に一つだけお伝えさせてください。

眠れない、食欲がない、朝になると涙が出る、出勤前に動悸がする——こうした状態が続いているなら、転職や退職の判断よりも先に、医療機関の受診や休養を優先してください。心身が疲れ切っているときは、冷静な判断そのものが難しくなります。

休職制度の有無や条件は法人の就業規則で決まっています。また、業務外の病気やけがで働けない期間には、加入している健康保険から傷病手当金が支給される場合があります。具体的な条件は、勤務先の就業規則や加入している健康保険の窓口で確認しましょう。

「辞めたい」の原因を4つに切り分ける

人事として退職の相談を受けていると、「辞めたい」という言葉の中身は人によってまったく違うと感じます。まずは自分のつらさがどこにあるのか、次の4つに分けて考えてみてください。

原因のタイプ よくある例 考えられる対処
① 人間関係 特定の上司・先輩が厳しい、職員同士の派閥、相談できる人がいない 異動・配置換えの相談、それでも無理なら職場を変える
② 労働条件 人手不足で休めない、残業が多い、給与が見合わない 条件の良い法人への転職、資格取得による処遇アップ
③ 仕事内容・サービス種別 夜勤がつらい、身体介護の負担が大きい、利用者との関わり方が合わない デイサービス・訪問・相談職など別のサービスへの移動
④ 介護という仕事そのもの 介護の仕事自体にやりがいを感じられなくなった 福祉の別職種、または異業種も含めてキャリアを考え直す

ここで大事なのは、①〜③は「介護職を辞める」理由ではなく「今の職場・働き方を変える」理由である場合が多いということです。

実際、面接をしていると「前の職場は人間関係がつらくて辞めたけれど、介護の仕事は好き」という方にたくさん出会います。そういう方が新しい職場で生き生きと働いている姿も、何度も見てきました。

人間関係の悩みについては介護職の人間関係がつらいときの対処法で詳しく書いています。

辞める前に一度試してほしい3つのこと

1. 信頼できる上司や人事に「相談」として話してみる

「退職します」ではなく、「実は悩んでいて」と相談の形で伝えてみてください。人事の立場から正直に言うと、職員が辞める理由を、法人側が本当は把握できていないことはよくあります。

夜勤の回数、担当フロア、シフトの組み方などは、相談すれば調整できるケースもあります。特に複数の事業所を持つ法人であれば、別の施設への異動という選択肢も考えられます。

もちろん、相談しても何も変わらない職場もあります。ただ、一度伝えてみることで「この職場で改善の見込みがあるかどうか」を判断する材料になります。

2. つらいことを「書き出して」みる

頭の中だけで考えていると、つらさがどんどん大きく感じられます。紙やスマホのメモに、

  • 何がつらいのか(具体的な場面)
  • それはいつから続いているのか
  • 何が変われば続けられそうか
  • 逆に、今の職場で良いと思っている点は何か

を書き出してみてください。ここで書いた内容は、転職することになった場合の「転職の軸」や、面接での退職理由の説明にもそのまま役立ちます。

3. 「辞めた後」の選択肢を先に調べておく

辞めるかどうか決める前に、求人を眺めてみるだけでも気持ちが変わることがあります。「自分の資格・経験ならこういう条件の職場もあるのか」と分かると、今の職場に対する見方が冷静になります。

転職サイトとエージェントの使い分けは転職サイトと転職エージェントの違い|介護職はどちらを使うべき?で解説しています。

採用担当者から見た「辞め方」で損をしないポイント

ここからは、転職を決めた場合に知っておいてほしい、採用する側のホンネです。

次を決めずに勢いで辞めるのは、できれば避けたい

心身が限界の場合は別ですが、そうでなければ在職中に転職活動を始めるほうが有利です。理由は単純で、収入が途切れる不安がないぶん、条件を妥協せずに職場を選べるからです。

焦って決めた転職先で同じ悩みを繰り返してしまう——これは、面接で経歴を見ていて本当によく感じることです。

退職理由は「不満」ではなく「次に何をしたいか」で語る

面接で前職の退職理由を聞くとき、採用担当者が見ているのは「同じ理由でうちも辞めてしまわないか」です。

たとえば「人間関係が悪かった」とだけ話すより、「チームで情報を共有しながらケアを進められる環境で働きたいと考えた」と、次の職場で実現したいことに言い換えると、ぐっと印象が良くなります。嘘をつく必要はありません。事実を前向きな言葉で整理するだけです。

短期間での退職が続いて不安な方は、転職回数が多くても採用されるコツも参考にしてください。

退職の伝え方と時期

民法では、期間の定めのない雇用契約の場合、退職の申し入れから2週間が経過すると雇用契約は終了するとされています。ただし実際には、就業規則で「1か月前まで」などと定めている法人が多く、引き継ぎやシフトの都合もあるため、就業規則を確認したうえで、できるだけ余裕を持って伝えるのが円満に辞めるコツです。

なお、契約期間が決まっている有期雇用の場合はルールが異なるため、契約内容を確認しましょう。

伝え方や引き止められたときの対応は介護職の円満退職の伝え方|引き止められたときの対処法にまとめています。

注意点:こんなときは一人で抱え込まないで

公平にお伝えしておくと、「辞める前に相談しましょう」が当てはまらないケースもあります。

  • ハラスメントを受けている:相談しても改善されない、または相談相手が加害者本人である場合は、無理に職場内で解決しようとしなくて構いません。
  • 退職を認めてもらえない・給与の未払いがある:都道府県労働局や労働基準監督署に設置されている「総合労働相談コーナー」では、労働問題について無料で相談できます。
  • 心身の不調が続いている:前述のとおり、判断よりも受診・休養を優先してください。

また、転職すればすべての悩みが解決するわけではありません。どの職場にも合う・合わないはありますし、人手不足はどの法人でも共通の課題です。だからこそ、「今の職場の何がつらいのか」を整理しておくことが、次の職場選びで同じ失敗をしないための一番の近道になります。

次の職場を選ぶときは、ブラック施設の見分け方|求人票でチェックすべき7つのポイントも確認しておくと安心です。

まとめ

  • 心身が限界なら、判断より先に休む・受診する
  • 「辞めたい」の原因を、人間関係・労働条件・仕事内容・介護そのものの4つに切り分ける
  • 多くの場合、変えるべきは「介護の仕事」ではなく「今の職場や働き方」
  • 辞める前に、相談する・書き出す・求人を調べるの3つを試してみる
  • 転職するなら在職中に動き、退職理由は「次にしたいこと」で語る

「辞めたい」と思うのは、弱いからではありません。それだけ真剣に仕事や利用者さんと向き合ってきた証拠でもあります。自分にとって無理のない働き方を見つけるための、一つのきっかけにしてください。

まずは「どんな職場があるか」を知るところから

辞めるかどうか決めていない段階でも、介護・福祉専門の転職サービスで求人や条件の相場を知っておくと、冷静に判断しやすくなります。介護JJは介護・福祉業界に特化した転職支援サービスです。サービスの特徴は介護JJの評判・使い方を人事目線で解説で詳しく紹介しています。

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