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結論:有給休暇や残業のことは、面接で聞いても失礼ではありません。
ポイントは「休みたいから」ではなく「長く働き続けたいから確認したい」という伝え方と、数字で答えてもらえる聞き方をすることです。
面接だけで分からないことは、見学・公開情報・内定後の労働条件通知書で重ねて確認しましょう。
この記事を書いた人
社会福祉法人の人事責任者として、約700名規模の法人で採用・労務・組織開発・業務効率化を担当しています。これまで数多くの面接を担当してきました。
なぜ「有給・残業」は面接で確認しておくべきなのか
介護の仕事はシフト制で、人員配置の基準もあるため、同じ「介護職員」の求人でも、休みの取りやすさや残業の量は職場によって大きく違います。求人票には「有給休暇あり」「残業ほぼなし」と書かれていても、実際にどれくらい取れているのか、残業はどんな場面で発生するのかまでは分かりません。
入職してから「思っていたのと違う」となると、また転職活動をやり直すことになります。だからこそ、面接は法人を見極める場でもあると考えてください。求人票の読み方はブラック施設の見分け方|求人票でチェックすべき7つのポイントで詳しく解説しています。
まず押さえておきたい法律上の基本
質問する前に、最低限のルールを知っておくと、相手の答えが妥当かどうか判断しやすくなります。
- 年次有給休暇:雇い入れの日から6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤すると、原則10日の有給休暇が付与されます(その後は勤続年数に応じて増えます)。パートなど所定労働日数が少ない方は、日数に応じた付与になります。
- 年5日の取得義務:2019年4月から、年10日以上の有給休暇が付与される人については、使用者が年5日を確実に取得させることが義務になっています。
- 残業の上限:時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間と法律で定められています。
細かい条件や最新の運用は、厚生労働省や労働局の公式サイトでご確認ください。
採用担当者は実際にこう見ている|条件の質問は「マイナス」ではない
採用する側として正直にお伝えすると、有給休暇や残業について質問されたこと自体で評価を下げることはありません。むしろ、私は面接で応募者の方に「転職先に何を求めているか」を必ず聞き、それが自分たちの法人で実現できるかを確かめるようにしています。働き方の希望は、そのすり合わせに欠かせない情報です。
条件が合わないまま入職すると、本人にとっても法人にとっても不幸です。入職前にギャップをゼロにすることはできませんが、小さくすることはできます。条件の確認は、そのためのお互いの作業だと考えています。
一方で、印象を分けるのは「聞き方」です。質問がいきなり休みのことだけになると、「仕事内容よりも休みが優先なのかな」と受け取る面接官がいるのも事実です。次のような聞き方を意識すると、同じ内容でも前向きに伝わります。
有給休暇の実態を確認する聞き方
NGになりやすい聞き方
- 「有給はちゃんと取れますか?」(はい/いいえで答えられ、実態が分からない)
- 「休みは多いですか?」(基準があいまい)
実態が分かる聞き方の例
- 「長く働き続けたいので伺いたいのですが、職員の方は有給休暇をどのように取られていますか?希望休と合わせて申請する形でしょうか」
- 「有給休暇を連続して取ることはできますか?家族の行事などで数日まとめて休むことがあるかもしれないので」
- 「急な体調不良やお子さんの発熱のときは、どのように対応されている職員さんが多いですか」
ポイントは、「取れるかどうか」ではなく「どう取っているか」を聞くことです。申請の流れや、実際の取り方の具体例が返ってくる職場は、制度が運用されている可能性が高いと言えます。
残業の実態を確認する聞き方
実態が分かる聞き方の例
- 「残業が発生するのは、どんな場面が多いですか?(記録、申し送り、会議、委員会など)」
- 「記録や申し送りは勤務時間内に終えられる体制でしょうか」
- 「会議や研修が勤務時間外に行われることはありますか。その場合の扱いはどうなっていますか」
- 「固定残業代(みなし残業代)が含まれている場合、何時間分で、超えた分はどのように支払われますか」
「残業はありますか?」と聞くと、多くの職場は「ほとんどありません」と答えます。残業が発生する場面を聞くと、業務の流れや人員の余裕が見えてきます。また、「時間外に行う研修や委員会がどう扱われるか」は、労働時間の管理に対する法人の姿勢が表れやすいポイントです。
面接以外で確認する方法
面接の短い時間だけで、すべてを判断するのは難しいものです。次の方法も組み合わせましょう。
- 職場見学・座談会:夕方の時間帯の職員の様子や、休憩が取れているかなど、雰囲気から分かることがあります。詳しくは介護の職場見学・座談会で採用側が見ているポイントをご覧ください。
- 公開情報:厚生労働省の「職場情報総合サイト(しょくばらぼ)」では、法人が公表している場合に有給休暇の取得状況や残業時間などを確認できることがあります。また「介護サービス情報公表システム」では、事業所の従業者に関する情報が掲載されています。掲載内容は事業所によって異なります。
- 内定後の労働条件通知書:口頭で聞いた内容が書面にどう書かれているかを必ず確認しましょう。確認すべき項目は介護職の内定後に必ず確認すべき労働条件にまとめています。
- 転職支援サービスの担当者:自分では聞きにくい条件を、担当者を通じて確認してもらえる場合があります。
質問するタイミングとマナー
- 逆質問の時間を使う:面接の最後に「何か質問はありますか」と聞かれたときが自然なタイミングです。逆質問のコツは介護職の面接で差がつく逆質問も参考にしてください。
- 仕事内容の質問を先に:業務や研修についての質問を1つしてから、働き方の質問に移ると印象が自然です。
- 理由を添える:「子育てと両立しながら長く働きたいので」など、理由を一言添えるだけで受け取られ方が変わります。
- パートの方は勤務日数の約束を大切に:パート・非常勤の場合、面接で伝えた勤務日数を実際に働けることが何より大切です。希望の伝え方は介護パートの面接で勤務条件を伝えるコツで解説しています。
注意点・デメリット
- 面接での回答がすべて正確とは限りません。面接官が人事担当者の場合、現場の細かい状況まで把握していないこともあります。気になる点は、見学時に現場の職員に聞く、内定後に書面で確認するなど、複数の方法で確かめましょう。
- 条件の質問ばかりにならないように。働き方の確認は大切ですが、質問がすべて休みや残業だと、仕事への意欲が伝わりにくくなります。「なぜ福祉の仕事をしたいのか」「この法人で何をしたいのか」もきちんと伝えることが前提です。
- 「残業ゼロ」「有給完全消化」を求めすぎない。介護の現場は急な欠員や利用者さんの体調変化があり、まったく残業が無い職場はむしろ少数です。大切なのは、残業が発生したときにきちんと記録され、支払われているかどうかです。
- 答えをはぐらかされたら、それも一つの情報です。具体的に答えられない、または質問を嫌がる様子がある場合は、その法人の姿勢として受け止め、慎重に判断しましょう。
まとめ
- 有給休暇や残業の質問は、面接で聞いても失礼ではない
- 「取れますか?」ではなく「どう取っていますか?」と、実態が分かる聞き方をする
- 残業は「あるかどうか」より「どんな場面で発生するか」を聞く
- 「長く働きたいから」という理由を添えて、仕事内容の質問の後に聞く
- 見学・公開情報・労働条件通知書で重ねて確認する
働き方の条件をきちんと確認することは、長く働ける職場を選ぶための大切な一歩です。遠慮しすぎず、上手に聞いてみてください。
自分で聞きにくい条件は、転職支援サービスを活用する方法も
「面接で残業のことを聞くのはやっぱり緊張する」という方は、介護専門の転職支援サービスを利用するのも一つの方法です。担当者を通じて条件を確認してもらえたり、求人票だけでは分からない情報を教えてもらえたりする場合があります。登録は無料のサービスが多いので、情報収集の手段として検討してみてください。


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